枝村ドラム工業所が行っている、「使用済みドラム缶のリサイクル」と「再生ドラム缶」についてお話します。
ドラム缶の用途と種類
ドラム缶の歴史
ドラム缶は、およそ200リットル以上の大型の金属製の缶のことですが、1900年頃にヨーロッパで金属製の樽が登場したのが始まりです。
その後アメリカの石油会社が大量に使用を始めたことで急速に普及していきましたが、当初は液漏れが多かったそうです。
間もなく、現在とほぼ同じ容器が発明され、これに改良が重ねられて現在のドラム缶になりました。
ドラム缶は現在、非常に耐久性・耐火性に優れ、安全な輸送・保管の手段となって世界中で使われ、私達の暮らしを支えています。
ドラム缶の用途
非常に頑丈で耐久性があり、規格も国際的にほぼ統一されているので、輸送や保管などの作業を共通で行えるので、石油製品から食品類まで幅広く使用されています。
▼内容物の例
- 石油関係(潤滑油・ガソリン 他)
- 化学薬品関係(化成品・医薬中間体 他)
- 塗料等(塗料・インク・香料 他)
- 産業廃棄物
・・・など。
ドラム缶の種類
ドラム缶は、入れる内容物の性質や形状などの状態によって、種類があります。
内容物の性質別
一般ドラム缶でも外部や内部に特殊な被膜処理を施していますが、環境に配慮した省資源タイプや繰返し利用に優れたタイプ(ステンレス缶や内面塗装缶)、プラスチックやファイバー製、内部に合成樹脂内装のある二重構造で高い耐薬品性があるタイプなどがあります。
内容物の状態別
▼一般クローズドラム(タイトヘッド)
缶の外部・内面に特殊な被膜処理がなされていて、内部の防錆力、外部の塗料密着性を高くして、強い耐久性を持つように作られています。
缶の外部・内面に特殊な被膜処理がなされていて、内部の防錆力、外部の塗料密着性を高くして、強い耐久性を持つように作られています。
使用内容物の例:石油関係・化成品など液状のもの
▼一般オープンドラム(オープンヘッド)
缶の外部・内面に特殊な被膜処理がなされていているのは、クローズどタイプのドラム缶と同じですが、天蓋がレバーやボルトで取り外せるようになっていて、高粘度の液体や粒状のものから固形物までに対応しています。
使用内容物の例:塗料・果汁・産業廃棄物など高粘度~個体状のもの
ドラム缶の再生処理
ドラム缶の中身が使用され、油槽所や給油所で回収された使用済みドラム缶は「更生業者」と呼ばれるドラム缶の再生専門業者へ送られ、変形や破損が無いか点検し、再使用できるものは「再生処理」を施して、再び流通にのせます。
ドラム缶再生処理工程
1.点検・分別
ドラム缶の変形や破損の点検を行い、再生可能なものと、不可能なものに分別します。変形や破損の程度の大きなものはスクラップとして処分します。
2.補正・修理
内部の残油処理、天地の縁の真円修正、ドラム缶胴板の歪み修正などを行います。
3.外部・内部洗浄
外部の洗浄と、洗剤や薬品、水などを使った内部洗浄、乾燥を行ないます。
4.テスト・検査
水槽に沈めるなどの気密テストや内部の錆・油脂残渣等の検査を行ないます。
4.再塗装
必要に応じて、外部研磨、外部塗装を行います。
再生ドラム缶の例
枝村ドラム工業所では、おもに取り扱っている再生(リユース)ドラム缶です。
再生200Lクローズドタイプ缶
天蓋の開かないクローズドタイプのドラム缶です。各所の点検や天板・地板の巻締め等の修理・塗装などを施しています。
再生200Lオープンタイプ缶
レバーやボルト式のバンドで着脱できる天蓋が取り外しできるオープンタイプのドラム缶です。 各所の点検や天板・地板の巻締め等の修理・塗装などを施しています。